ランドセルはいつから使われている？歴史や起源についてご紹介

日本の小学生が使う通学カバンと言えば、ランドセルを思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、ランドセルの歴史についてはあまり知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ランドセルの起源、普及した背景などについて解説します。
ぜひ最後までご覧ください。

□ランドセルの起源は？

国ごとに様々な通学カバンがありますが、箱型で背負う形のものは日本独自のものです。
そんなランドセルが誕生した背景は、なんと明治時代にまで遡ります。

ランドセルの起源とされているのは、明治時代に開校した学習院です。
学習院では開校当初から服装が制服に統一されていました。
一方、通学形態については馬車を使ったり、使用人に荷物を預けて登校したりするなどさまざまでした。

そのような状況で学習院は、「家庭環境を教育の場に持ち込むべきでない」という理念を示し、開校から8年経った明治18年には馬車や人力車で通学すること・使用人に荷物を預けることを禁じられます。
その際に通学用カバンとして採用されたのが、両手が空き、かつ持ち運びもしやすい軍隊用の背のうでした。

リュックサックに似た形の背のうが現在の形のランドセルになったのは、明治20年のことです。
大正天皇が学習院に入学されたときのお祝いとして、現在のランドセルの形状と似た通学カバンが献上されました。
これが現在でも広く使われている形のランドセルの始まりとされています。

その後、部品や品質、形状が統一され、「学習院型」と呼ばれるランドセルが確立されました。
以降、1世紀以上が経過していますが、基本的なスタイルは今なお残っています。

□ランドセルが普及した背景とは？

明治時代、ご紹介した経緯でランドセルが誕生しましたが、当時は高級品で庶民の手が届くようなものではありませんでした。
そのため、庶民の間では布のショルダーバッグや風呂敷が主流の期間が続きます。

しかし戦後、両手が空いて便利なランドセルが庶民の間でも利用される機会が増えていきます。
ただし、素材は皮革に限ったものではなかったようで、1946年ごろには驚くべきことにアルミ製のランドセルも販売されていたことが判明しています。

その後、経済の発展とともにランドセルは急速に普及し始めます。

経済が発展したという背景もありますが、人工皮革の実用化も大きな要因だと言えるでしょう。
人工皮革は本革に比べると軽量で安く、水に濡れても品質が変わりにくいことから、ランドセルに適した素材として利用されています。
現代では、ランドセルの7割以上が人工皮革製であるとされています。

黒革製のランドセルが庶民の間に広がると、女の子には赤いランドセル、男の子には黒いランドセルが広がりました。

ただ、最近では赤いランドセルは女の子、黒いランドセルは男の子のものというイメージも変わりつつあります。
最近は個性を尊重する風潮が高まりつつあることもあり、各メーカーがカラー・デザインともにバリエーション豊かなランドセルを販売しています。
イメージにとらわれることなく、好みに応じて選べるようになったのは嬉しいポイントですね。

ここまででご紹介したように、ランドセルの歴史は想定よりも短いことがおわかりいただけたかと思います。
さらに、戦前の時代にランドセルを使っていたのは一部の人間に限られ、戦後の経済発展をきっかけに広く普及しました。

現在では購入側の多様化も進み、男の子が赤・ピンクのランドセルを買ったり、反対に女の子が黒をはじめとしたボーイッシュなイメージのあるランドセルを持ったりするようなケースも増えています。

しかし、基本的なデザインはランドセルの誕生以来ほぼ変化していません。
良いものはどれだけ時代が変化しても不朽であることがよく分かりますね。

□ランドセルの語源って？

ここまででランドセルの起源・歴史を知っていただいた方の中には、「そもそもランドセルの語源は何なのか」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
そういった疑問をお持ちの方に向けて、最後にランドセルの語源をご紹介します。

ランドセルという言葉の語源は、オランダから来ていると言われています。

ナップサックはオランダ語でランセルと言うのですが、日本語が混ざり、なまって聞こえたのがランドセルとされています。
ちなみに、ナップサックはリュックサックとは異なりサイズも小さめで、より日常使いしやすいカバンです。
持ち手が紐であるため、軽い荷物を入れるのが基本的な使い方とされています。

当初はランドセルではなく「背のう」という呼び名でしたが、徐々にランドセルという呼び名が浸透していきました。

□まとめ

本記事では、ランドセルの起源、ランドセルが大衆に普及した背景などをご紹介しました。
読者の皆様がランドセルの歴史や語源について詳しく知る機会になれば幸いです。

また、お子さまのランドセルを決めかねているという方は、ぜひカバンのフジタまで気軽にお問い合わせください。